2016年06月23日

日銀総裁「所得格差は拡大していない」

日銀の黒田総裁が20日、「日本で所得格差は拡大していない」との認識を示したそうです。

慶応大学での講演の後、学生から、大規模な金融緩和で富裕層の資産価値が膨らむ一方、労働者の賃金は伸びていないと指摘され、それに対しての反論の中で述べたようです。

黒田総裁は、失業者が減って雇用者の総所得が増えた点を強調し、所得格差の拡大が「日本で起きているとは思っていない」と学生の指摘を否定したことが新聞で報道されていました。

日銀総裁が、よくもこんなデタラメが言えたものです。安倍首相も同じようなことを言っていました。

雇用者の総所得というのは、役員報酬なども含みます。また、安倍首相が国民総所得が増えたということを言いますが、国民総所得というのは企業の利潤も含まれます。これをもって、所得の格差が拡大していないという根拠にはなりません。

実際はどうでしょうか。働く人の実質賃金は、5年連続マイナスを続けています。5%も目減りし、統計を取り始めて最低の水準です。実質所得が減り、しかも社会保障も削られてきていますから、国民は消費に回すことが難しくなっています。そのため、個人消費は2014年度、2015年度連続してマイナスです。リーマンショックの後でさえ、個人消費のマイナスは1年止まりでした。日本では、それだけ深刻な事態に陥っています。

大企業の内部留保は、300兆円を優に超えています。毎年の利益も伸び、その過半が株主に還元されています。

実体はこうなのに、どうして日本で格差が拡大していないなどという結論になるのでしょうか。

安倍政権は自分に都合のよい数字しか言いません。都合の悪い数字は隠しています。年金の運用で大幅なマイナスを出していることも、例年なら参院選の投票前に発表される予定だったのに、選挙後に発表を先送りしました。

黒田総裁は、3年前の就任時に、「2年で物価目標2%を達成する」と言明しました。しかし、その目標は達成できず、達成できる見通しさえ立っていません。目標を達成できなかった責任については全く触れず、日銀のとった「異次元の金融緩和」について「道半ばだが、プラス効果は十分あった」と言っています。

安倍首相の無責任ぶりにも呆れますが、日銀総裁まで、この無責任ぶり。こういう無責任な人たちに日本のかじ取りを任せるわけにはいきません。




Posted by jacks at 15:46│Comments(0)
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