知識、見識、胆識
安岡正篤が広めた言葉に「知識、見識、胆識」というものがあります。先日、NTTの鵜浦博夫社長が座右の銘としているという記事を見ました。鵜浦氏は、仕事上の判断で悩んだ時、この3つの言葉を思い浮かべ、自分が考えていることはどのレベルなのか自問自答しているそうです。
知識とは、知っているというレベル。見識とは、知識に体験や人格が加わった上での判断力。胆識とは、知識や見識が深まった上で、どんな抵抗や障害があってもやり遂げるという強い信念、実行力となった状態。
胆識がなければ、いくら知識や見識があっても物事は成就しません。リーダーにとって最も大切なものでしょう。では、どうすれば胆識が身につくのでしょうか。
鵜浦氏は言います。
「一つひとつの課題に深い問題意識を持ち、覚悟を持って取り組むこと。抵抗や障害を乗り越え、目標を達成した経験を積み重ねることにつきるのではないでしょうか。」
「直面した課題についてよく勉強し、問い直し、考え抜き、議論し、行動する。その繰り返しで知識が見識となり、胆識になっていくのだと思います。」
人生の経験をある程度積めば、その時その時、真剣に徹底的に取り組み、失敗から学び、とことん考え抜いて実践してきたことで、判断力や実行力に自由度が増したことが実感できるものです。そのことを改めて思い起こさせてくれました。